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2008年11月の記事

井山大今 レコーディング(Part2)

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今日は伊豆高原の私のプライベートスタジオにてshiosaiで制作中の井上鑑&山木秀夫&高水健司&今剛プロジェクトのレコーディング第2弾を行ないました。今回は山木秀夫さんのみがいらしてドラムのレコーディングです。前回は井上鑑さんのスタジオで5曲分のセッションを収録したわけですが、それに続いて今回は井上さんが用意した4曲分の仮音源にドラムを先に収録する形です。山木さんのドラミングはもちろん完璧。というより年々テレパス的反応(!?)とも思える場面が増えて来ました。それも上手いとか、正確とか、テクニック、ジャンル、なんて事ではなく、単に“グッと来る”“ハッとする”とういう様な、心に迫るまさしく“音楽”であって。

エンジニアリングは前回同様Goh Hotodaさんが担当して下さいました。コンプ、EQなどのプラグインやアウトボードをまったく使用せず、マイク&プリアンプの選択とセッティング、自ら持ち込んだ毛布と吸音材の配置などによってスタジオのブースの特性を活かした音作りを施して下さいました。そんなシンプルかつ音楽的な音作りに山木さんも楽器の選択やチューニングなどで素早く反応していました。我々サンレコ世代(笑)にはそういった根本的なアプローチが結構新鮮だったりもします。また、午後からHotodaさんが所用で席を外す事となっていた為、プロツールスのオペレーションは私自身が担当。ミキシング・コンソールを挟んで巨匠と対峙するのは結構緊張しました。

今後の井山大今プロジェクトは今日収録した山木さんのドラムを基に他のメンバー達がダビング作業を行い、また、前回レコーディングした仮のドラムを本テイクに差し替え&今さんの新曲のドラム収録を再度私のスタジオで行なってレコーディングは一区切り。その後はGoh Hotodaさんがミキシングの腕を振るってくれる予定です。来年は発売とそれに合わせてライブ、その後できればミニツアーを組めたらと考えています。

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『衣装術/北村道子』

一昨日は最近になって突然の難病を患って亡くなった叔父の葬儀へ。人は時に信じられないような生命力を発揮し、時にはあっけないくらいに早くあの世へ行ってしまいますね。でもそれぞれがまぎれもない人間の生き方であり、死に方であって、、、。

日本を代表するトップスタイリストである北村道子さんの著書。北村さんが衣装を手がけた映画は私が観た事があるものだけでも『キッチン/森田芳光』、『幻の光/是枝裕和』、『東京日和/竹中直人』、『双生児/塚本晋也』、『アカルイミライ/黒澤清』、『乱歩地獄』など数多くあります。私の中では石岡瑛子さんと並んで日本の2大女性クリエイターという感じ。この本の前半ではその絵になる衣装のいくつかが素晴らしい写真で紹介されていてアートブックとしても秀逸です。後半は「服の力」と題して北村さんの半生と仕事に対する考え方、人生観が語られていて、その珠玉の言葉の数々によい刺激を受けました。

桜の美しさに心を奪われるよりも素晴らしい授業があれば、学校に価値を見いだすことだ出来たけど、わたしにはできなかった。〜中略〜 だから、学校に行きたくない子供がどうして学校に行こうとするのか。それが六十歳になろうとしているわたしには、今もわからない。
ネイティブ・アメリカンの二人組とアメリカ大陸を三年間かけて横断した。十八歳くらいからずっと歩いていた。その時から、服に興味を持つ様になったのかも知れない。
今の子供達はなるべく若い年齢で仕事に就こうとするけど、遊びはどこでやるんだろう?って思う。遊びがなかったら、クリエイションに繋がっていかない。私は三十歳まで思いっきり遊んで来たから、その経験から映画ができると思っている。今の子は遊びが足りないんじゃない?
小林秀雄の「モオツアルト」ってすごい批評だと思う。お父さんが亡くなって困り果てている時に、モーツアルトが流れてきた。その瞬間に彼は生きる力が湧いたっていう。そういう事がアートだと思うの。
人間は本来裸でいいはずなのに服を着て、着方によってはブルジョワにもなれるし乞食にもなれる。だからわたしは、服は武器だと思っているし、人生そのものだと思っている。

・・・などなど、うなずきながら、時に自分を振り返り、反省しながら読みました。松田優作の指名を受けて映画デビューし、その松田優作とぶつかりながら作り上げた作品(『それから/森田芳光』)からスタートしている北村さんだけに、広い視野をもちつつも同時に決してゆずらぬ価値観を持っている。いくらでも情報が氾濫している現在、そうした自分の確固たる解答を得る事は出来そうで出来ないように思えます。そして社会とコミュニケートする力を持つ事で自身の価値観を提示して更にフィードバックを得る。それは理想的な循環であろうと思います。

アート・ガーファンクルの新作。名曲の数々を豪華なサウンドにのせて歌い上げた胸に沁みる作品でした。常に先鋭的なサウンドで注目を集める元相方のポール・サイモン(最近もブライアン・イーノと組んで極めつけの作品『Surprise』をリリースしていました。)に比較すると地味な印象もありますが、現在でもアーティーの“天使の歌声”は健在です。演奏も素晴らしく、クレジットを見るとドラムにスティーブ・ガッド、ベースにボブ・グラウブ、ギターにディーン・パークス、、、という納得の面々。ベースのボブ・グラウブは玄人受けする名プレイヤーで、私が所有するプレシジョン・ベースはレイクランドのボブ・グラウブ・シグネチャーだったりします。

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年金特別便

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先日ポストを開けると『重要』と表記された見慣れぬ郵便が届いていました。少し前に騒がれていた「年金特別便」です。私はほとんど興味が無かった為、てっきり老人に届くものとばかり思っていました。中を開けると加入月数と納付済み月数のみが書かれていて、「もれや間違いがないか、十分にお確かめください。」「少しでも心配のある方は年金特別便専用ダイヤル等にお問い合わせください。」と書かれていました。ちょっと計算してみると納付月数が足りないようなのですが、「お確かめください」と言われてもねえ、、、。領収書もないのにどうやって確かめるのか教えてくれないと。専用ダイヤルに問い合わせれば調べてもらえるのか?だったら最初から調べてくださいよ。「少しでも心配のある方」って言うけど何に対する心配の事だろう?自分の老後?今後の人生?(笑)・・・ とか思うばかりで何もする気になれず。

そもそも年金については社会保険庁のありえない体たらくが明らかになって尚、継続して行こうという事自体がどうかしていると個人的には思っているんです。しかも徴収率が半分に満たない状況を今後どうしていくのでしょう?「少しでも心配」どころかこの制度自体に将来はない事は明らかなのではないでしょうかね。普通ここまでの不正が明らかになったら納付されたお金は(わかっているものだけでも)一度返してその後きちんとした体制の元で義務として全員から徴収するなり、積み立てとして自由に納付できるなり仕切り直す必要があるのではないかと思います。

私が加入した頃は「自分の為の積み立てではなく、若者が老人を支える為の年金」なんて言われて入ったように記憶しているのですが、そんな話も聞かなくなりました。
まあ、相変わらず興味は無く、60や70歳になった時の心配などする気もないのでいいんですけど。

先日途中まで書いた『アンディー・サマーズ自伝』の内容ですが、一般的にはあの“ポリス”の結成から解散までが最も注目される事柄でしょうが、私にとっての一番の収穫は所謂「カンタベリー系」のアーティストとアンディーとの関わりが明らかになっている事でした。これまでアンディーがイギリスのロックバンド、“ソフト・マシーン”周辺と関わりがあった事は知られていましたし、私もブルーノート東京へ見に行ったライブの共演者であるジョン・エサリッジは後期ソフト・マシーンのギタリストでしたから確信もしていたのですが、ここではアンディーがロバー・ワイアットの実家に居候しながら共にセッションをし、ソフト・マシーンに加わってツアーに出たものの、ベーシストのケヴィン・エアーズと馬が合わずにバンドを首になった経緯、しかしその後何故かケヴィン・エアーズから声がかかってケヴィンのバンドに参加(笑)なんて事が詳細に語られています。

また、エリック・クラプトンが“クリーム”の1stで弾いたレスポールはアンディーが売ったものだった事、アンディーが抜けたバンドの後釜はロバート・フリップだった事、ジミ・ヘンドリックスの才能への羨望、名作『チューブラー・ベルズ』で一世を風靡したマイク・オールドフィールドのスケジュールの都合でマイクに変わって交響楽団と同曲を演奏した事、愛用のテレキャスターは少年から200ドルで買ったギターだった事、長きに渡って服用し続けたLSDの影響、、、その他ブリティッシュ・ロックやジャズが好きな人には興味深いエピソードが満載です。

この自伝が面白いのは自身を“スター”や“天才”というくくりで語っていない事。むしろ真の天才であるクラプトンやジミヘンの存在を横に見ながら「決してものまねをしないように。彼らのクローンになるのはまっぴら。」と自分の表現を探しているギター少年という印象です。昨年あたり同じくイギリス人でカンタベリーやジャズとの繋がりも深いドラマーのビル・ブラッフォードのインタビューを読んでいたら、自身のキャリアを「そこそこの才能で長い間よくやって来た」と語っていたのを覚えていますが、そんあアンディーとブラッフォードには音楽性やプレイに共通点も多い様に感じます。
何はともあれ音楽好きなら絶対に楽しめる1冊でしょう!

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娘の誕生

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11月3日、午後8時34分に娘が誕生しました!祝日だった為、私も陣痛の始まりから誕生までを立ち会う事が出来ました。(実際はこの日、shiosaiの伊豆高原スタジオで布川俊樹&納浩一のDUOレコーディングが行なわれていたのですが、こちらは彼らとスタッフにお任せして私は出産立ち会いを優先させて頂きました。快く了承して頂き、私の不在の間にも素晴らしい2曲を完成させてくれた両氏には感謝!)

出産にまつわる様々な困難や感動については色々な機会に多く語られていて、実際その通りなのですが、目の前で繰り広げられるその迫力といったら!。12時間以上の長時間痛みに耐え、出産に挑み続ける妻の横で私が出来る事は腰を擦ったり、一緒に呼吸法を行なったり、水を飲ませたりするくらいで何か申し訳ないような気もしたのですが、その妻の姿を見ながら脳裏によぎったのは昨年9月に父親が息を引き取った時の姿と父親とのいくつかの印象深い思い出のシーンでした。何故それらを思い起こしたのかは分かりませんが、これから我々家族が引き継いで行く“何か”なのかも知れません。とにもかくにも母子ともに元気に出産を乗り越えられた事、頑張り抜いて新しい命を生み出してくれた妻、病院のスタッフ等々に感謝!です。

誕生と言えばアメリカでは初めての黒人大統領が誕生。アメリカがこれまでとは違った意味での繁栄を見いだすきっかけになるとよいなと思います。

音楽関連というか芸能ネタでは小室哲哉氏逮捕が例によって必要以上に大きく報じられていますが、それを受けて(有罪と決まった訳でもない段階で)エイベックスとソニーは小室氏関連楽曲の発売と配信を中止するらしいですね。まあ、小室氏の楽曲もエイベックスも子供相手の商売ですからそういう判断になるのでしょうが、音楽は清く正しく生きる人だけが発信したり、人畜無害で底の浅い夢を与えるだけの文化ではないですからね。それを発する側は例えば逮捕というような権力の行使に対して少なくともニュートラルな姿勢であるべきという様な感覚が私にはあります。いつか小室氏には実際に著作権を自分でコントロールして自分の手で今度は大人向けの音楽を発信して欲しいと思います。「堕ちた堕ちた」と言っても人を殺めたわけでもないですからね。実際これを書いている今、テレビには堀江貴文氏が出演して何か話していますし。

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